光文社ペーパーブックなのに新書のなかでも光文社は面白い。あたりはずれが大きいのだ。光文社ペーパーブックはその中でも非常に扇情的で偏った本が多くしかも厄介なことに面白いのである。
しかし本書はかなりまっとうで良心的な内容だ。医療改革の主な問題、医療で改善されるべき点はその通りであり、本書で医療問題については一通り学べると言い切って過言ではない。(因みに私も著者も医者である)特に強調したいのは日本の医療の問題は高価なことではなく、医療教育がずさんで程度が低いことによる医療者のレベルの低さである点だ。(これは同じ教科書でもハリソンと日本の内科教科書を比べれば明らか)おまけに本書のいい所は、アメリカを徒に褒めないこととジニ係数等社会の全体を視野に入れた分析である。基本的に医者はインテリジェンシーと視野について程度の低い人が多く、医者の書いた本は稚拙な本が多いが本書はその点で十分に及第点。
ただし、外科医が内科医を馬鹿にするという件はよくない。外科は手術できる全身状態の良い患者を扱っており、本当に修羅場を見ているのは内科だ。くれぐれも読者は内科医や皮膚科医を馬鹿にすることの無いように気をつけて欲しい。
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